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枯れた技術の水平思考 横井軍平伝

ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男 表紙
「ゲームの父・横井軍平伝」を読みました。横井軍平さんは、1965年から1996年まで任天堂の開発部にいた方。
ウルトラハンド、ゲームウォッチ、バーチャルボーイ…と数々のおもちゃ・ゲームを生み出し、
残念ながら1997年に交通事故で亡くなった方です。


横井さんが開発したおもちゃ・ゲームを見れば、
あー!あれは横井さんが作ったのか!と驚くばかりです。

そんな横井さんが語った言葉で有名なのが、

「枯れた技術の水平思考」

という言葉。

これは、
「最新技術を追いかけるのではなく、使い古されて、価格も安くなっているちょっと古い技術を、一歩引いたところから水平思考してみる」
ということ。

その分かりやすい例が「ゲームウォッチ」


ゲームウォッチは1980年に任天堂から発売された携帯ゲーム機。

このゲームウォッチの元になったのは「電卓」です。
1970年代当時、電卓は価格もだいぶ安くなり、小型化していました。
大きさは名刺サイズほどになり、すでに成熟した製品にまでなってました。

そんな電卓ですが、横井さんはある日、
新幹線でその電卓で暇つぶしをしている人を目撃したそうです。
その時「これはゲームにできるかもしれない!」
と思いついたのがこの「ゲームウォッチ」です。

既に最新技術ではなくなっていた電卓を、ゲームという全く違うものに置き換える、ということ。
まさに「枯れた技術の水平思考」を体現した一例ですね。

横井さんが他にこだわったのは、
あくまで「遊びの本質」にこだわること。
それは任天堂の主力が、おもちゃからゲームに移ってからもその思想は続きました。

ゲームというのはグラフィックの美しさやゲーム機の性能などではなく、
遊びの面白さはもっと別のところにある。と考えてたようです。

その横井さんの思想が現れた代表的なゲームの例が、
「スーパースコープ」と「バーチャルボーイ」
ゲーム好きの人なら知っている伝説のゲームです(笑)

正直、これは商業的には失敗しました。
ただ、なぜ失敗に終わったかというと、あまりにも時代を先取りすぎてたからかもしれません。


そんな、スーパースコープ。
実は僕、当時このスーパースコープを持ってました (笑)。
すごい面白かったですし、僕は好きだったんですけどねー^^;

スーパースコープがどういうものかというと、
テレビの上にセンサーバーを置き、専用のバズーカ型コントローラーで
画面に向かって撃つ。というもの。

テレビの上にセンサーバーを置く、画面に向かってコントローラー…ん?何かに似ています。

そう。「Wii」です。
コントローラーを体感的に使って遊ぶという点は、まさしくWiiにそっくりです。
横井さんは当時から同じようなことを考えていたのかもしれません。


そして1995年に発売された「バーチャルボーイ」
これはどんなゲームかというと、
双眼鏡のような形をしたゲーム機を覗くと、
中で立体化した映像でゲームが出来る、というもの。

これも当時画期的なゲームだったんですが…やはり商業的に失敗してしまいました。

ただ、
立体化した映像のゲーム…といえば…

なんと今年年末に発売が予定されているNintendo 3DSと同じ概念じゃないですか!

今、現実になろうとしているものを15年以上前に考え、
そして実際に製品化した横井さんの力はすごいですね。

ただ、やはり時代を先取りしすぎたのかもしれません。

時代が移り変わり技術や環境も進歩し、
やっとこの数年で時代が追いついてきたのかもしれません。
まさに「枯れた技術の水平思考」ですね。

もし今、横井さんが生きていて、このWiiと3DSを見ていたらどう思ったでしょうか。

横井さんがいたからこそ、今のWiiも3DSといったゲームが生まれたのかもしれないですね。