知識労働者社会
今日、世界は大きく転換している。
その大きなものが、知識労働者だ。
現在、労働人口の大部分を占めるのは、知識労働者となってきている。
この新しい社会では、専門性を持った知識労働者が主役となるのだ。
知識労働者とは?
では、知識労働者とはどういう人達なのだろうか?
知識労働者とは、自らの知識を使って成果を出す労働者のことである。
つまり、知識、アイデア、情報を用いて、何か新しい価値を生む人たちである。
ポスト資本主義社会への転換
この過去100年で最も重要な社会的事件は、生産性革命だった。
工業化は言い換えれば、生産性革命である。
生産性革命は、短期間で人々を裕福にすることを可能にした。
しかし、もはや先進国では、これまでのような生産性革命は終わった。
生産性が高まった世の中では、誰もが容易に同じような資源、資産を手に入れることができ、
モノで溢れることになる。
似たようなもの、同質なもので溢れ、しかもそれらは高い生産性を持って、
安価で大量に、短期間で手に入れることとなる。
よって、これからは、別の価値が出現してくることとなる。
歴史的に見れば、これからの10年で、全く別の価値観を持った新しい社会へと転換していくはずである。
その価値を生み出す者、それこそが知的労働者である。
これからは、知識労働者の仕事にしか大きな価値が生み出せなくなる世の中になるだろう。
そこで、人類は主要産業を知的労働へと移し、
さらに成果を加速していかなくてはならない。
しかし残念ながら、いまのところ知識労働者の生産性は高いとは言えない。
なぜか?それは知的労働者のしごとを、どう分析すればいいか、まだ分かってないからである。
知識労働者のしごと
知識労働者の成果は純粋に質の問題である。
知識労働者が生み出すものは、知識、アイデア、情報である。
しかもそれらの生産物は、それだけでは役に立たない。
他の人間に供給して、初めて意味を成すのだ。
よって、それを定量的評価するのは難しい。
知識労働者の成果をあげるためには?
知識労働者が成果をあげるためには、貢献に焦点を当てなければならない。
何が目的か。
何を実現しようとしているのか。
なぜそれを行うのか。
を問わなくてはならない。
なぜなら、知識労働者が生産するものは、モノではなく、アイデアや情報やコンセプトだからである。
自らをマネジメントする
そのために重要なのは、
- 自らの強みを知ること
- 時間を管理すること
- もっとも重要なことに集中すること
だ。
知識労働者にとって、重要なのは集中することである。
成果をだすには、高い専門性に集中しなければならない。
そのための道具がフィードバック分析だ。
フィードバック分析によって、自らの得意、不得手を明らかにする。
その明らかになったものから、さらに集中の力を使って、
成果の生産性を高めていくのだ。
何によって覚えられたいか?
この新しい時代を生きるということを一言でまとめると、
「何によって覚えられたいか?」
ということである。
つまり、
自分(自分たち)にしかできないしごとで、社会に貢献しよう
ということだ。
自分にしか出来ない差別化された資質を見つけ出し、
それの生産性を向上させ、
それをもって社会に貢献していくこと
これが新しい時代の生きる術である。
もうじき、世の中は必ずこういう時代になっていく。
そうなれば、世の中はきっと素晴らしい世界になるだろう。